石西礁湖自然再生ニュースレター

ニュースレター第27号(2.1MB) ★2020年の石西礁湖 ★石西礁湖自然再生協議会は第8期に入りました
ニュースレター第26号(2.1MB) ★サンゴ幼生の加入量の状況 ★環境省事業実施計画が承認
ニュースレター第25号(2.2MB) ★2019年の石西礁湖 ★第25回協議会 ★環境省の新しい事業実施計画の検討
ニュースレター第24号(2.4MB) ★2018年の石西礁湖 ★第24回協議会 ★行動計画の進め方
ニュースレター第23号(.02MB) ★2017年の石西礁湖 ★行動計画2019-2023 ★協議会第7期の体制
ニュースレター第22号(4MB) ★2016年夏の大規模白化の影響 ★石西礁湖自然再生事業の検証と今後の進め方
ニュースレター第21号(2.5MB) ★2016年夏の大規模白化のその後 ★サンゴの大規模白化現象に関する緊急宣言
ニュースレター第20号(1.2MB) ★2016年夏の大規模白化に関する話題提供と意見交換
ニュースレター第19号(2.5MB) ★石西礁湖の近年の状況 ★目標達成に向けて取り組んだこと ★第19回協議会
ニュースレター第18号(1.4MB) ★最近数年間はサンゴが回復する傾向に ★わくわくサンゴ石垣島プロジェクト
ニュースレター第17号(2.4MB) ★石西礁湖の近年の状況 ★石西礁湖自然再生全体構想:短期目標10年
ニュースレター第16号(4.0MB) ★協議会の多様な主体の取組状況 ★ワーキンググループの活動報告
ニュースレター第15号(4.9MB) ★オニヒトデ対策 ★協議会の体制が変わります ★サンゴ礁基金による助成活動
ニュースレター第14号(3.8MB) ★サンゴの病気が広がっています ★協議会新体制への提案 ★ヨナラ水道
ニュースレター第13号(7.4MB) ★移植サンゴの産卵を確認! ★石西礁湖サンゴ礁基金の助成活動始まる
ニュースレター第12号(6.3MB) ★協議会委員の1年 ★石西礁湖サンゴ礁基金の使途と仕組み
ニュースレター第11号(6.3MB) ★サンゴは増えているか? ★石西礁湖自然再生行動指針 ★赤土流出
ニュースレター第10号(3.1MB) ★平成20年度のオニヒトデ発生状況 ★第10回協議会 ★八重山サンゴカフェ
ニュースレター第9号(3.6MB) ★石西礁湖周辺のサンゴ礁の現状と今後の展望 ★国際シンポジウム開催
ニュースレター第8号(1.8MB) ★第8回協議会 ★石西礁湖自然再生事業環境省事業実施計画の概要
ニュースレター第7号(1.8MB) ★第7回協議会 ★国際サンゴ礁2008 ★2007年オニヒトデ発生状況
ニュースレター第6号(2.2MB) ★第6回協議会 ★記念シンポジウム ★石西礁湖自然再生事業の実施に向けて
ニュースレター第5号(6.2MB) ★第5回協議会 ★石西礁湖自然再生全体構想 ★沖縄の港湾におけるサンゴ礁調査
ニュースレター第4号(3.7MB) ★第4回協議会 ★石西礁湖自然再生に向けた取組 ★エコツアー
ニュースレター第3号(3.3MB) ★第3回協議会 ★石西礁湖自然再生全体構想 ★サンゴの白化現象
ニュースレター第2号(3.8MB) ★第2回協議会 ★取組と役割分担 ★海の自然教室 ★オニヒトデ
ニュースレター第1号(4.3MB) ★第1回協議会 ★石西礁湖サンゴ礁の現状 ★赤土流出対策

資料室


子どもサンゴ礁楽会・紙芝居

 環境省では、サンゴ礁の保全に向けた普及啓発として、平成17年11月2日に八重山地域の小学生を対象に「子どもサンゴ礁楽会」を開催しました。

 伊野田小学校、崎枝小学校、吉原小学校のこども達29人が、3・4年生、5年生、6年生の3つのグループに分かれ、「サンゴのある海で起こっている問題」、「解決方法」、「将来こうあって欲しいと思うサンゴのある海の姿」、そして「そのために自分たちにできること」を考え、それを物語にして、紙芝居を作り、発表しました。

3・4年生チーム作成 紙芝居
 絵   ゴミがたくさんおちている 海の中でサンゴ君がふまれてないています。…
 絵   それをみた人間たちはやっと気がつきました。「ふんじゃってごめんねー」…
 絵   わたしたちにできることってなんだろう?「そうだ!カンバンをたてよう」…
 絵   ゴミがないきれいな海でサンゴ君はたくさんのなかまたちとよろこんでいます。…
5年生チーム作成 紙芝居
 絵   「うわぁ?」 みんなどうしたの ねぇねぇ動いてよ、あれ赤土が流れて来た。…
 絵   …
 絵   ニモたちは、みんなで話し合ったことを、かんばんに書きました! でも …
 絵   うあ?ここの海もきれいになったね! 仲間もふえたし、死ぬ魚も少なくなったよ?…
 絵   こんなかんばんなんてまもってもいみねえよ…
 絵   …
6年生チーム作成 紙芝居
 絵   赤土や生活はい水で海がよごれて、魚やカニが苦しんでいます。…
 絵   これは人間がゴミをすてて、いろんな魚がくるしんでいるところです。 どうにか…
 絵   カニは海にあるゴミをすすんでゴミ箱にすてました。…
 絵   これが「光がふりそそぐとうめいな海と、白い砂浜」です。こんな海が最こうさっや?…

フィールドワーク


シンポジウム

 平成15年11月16日に、石西礁湖の自然再生は、計画の策定段階から地域に皆さん、ボランティア、NPO、専門家、地方公共団体、環境省など国の機関などサンゴ礁の海にかかわりを持つ多様な主体の参加と協力で実施していきます。そのため、調査結果を広く知っていただくための説明会、マスタープラン作りに提案をいただく意見交換会、サンゴ礁の現状を広く知ってもらうためのシンポジウムや講演会を開催していきます。  …詳細


石西礁湖自然再生フォーラム

 平成17年7月3日に、八重山の豊かな海をよりよい形で将来の世代に伝えていくために、サンゴ礁に囲まれた島に暮らす皆さん、専門家、環境省など行政機関が一緒に考え、行動していく場として「自然再生協議会」を設置します。自然再生協議会には、この八重山の豊かな海ために一緒に活動する方であればどなたでも参加することができます。  …詳細


講演会「石西礁湖はすごかった-考えよう、私たちの海のこと」

 平成18年11月17日に、石西礁湖自然再生協議会主催による「石西礁湖はすごかった ‐ 考えよう、私たちの海のこと ‐」が石垣市で開催され、井田齊氏(株式会社プレック研究所 生態研究センター長)と池田 元氏(海人、沖縄県指導漁業士)のお二方にご講演いただきました。  …詳細


サンゴ移植地見学会が開催されました

 平成18年11月18日に、石西礁湖自然再生協議会主催による「サンゴ移植地見学会」が行われました。
 サンゴ移植地見学会は石西礁湖でサンゴの再生事業が行われている新城島、黒島に船で行き、サンゴの着床具の見学やCOD(水の汚れを表す指標)の簡易調査などを行いました。  …詳細


第1回サンゴ礁保全ワークショップ

 平成16年11月21日に第1回目のワークショップを開催しました。このワークショップでは、24名の参加者の方々が3つのグループに分かれ、「石西礁湖のサンゴ礁の将来あるべき姿」の検討をゴールイメージとして設定し、以下の流れに沿ってグループワーク(作業)を展開しました。  …詳細


第2回サンゴ礁保全ワークショップ

 平成17年1月29日に第2回目のワークショップを開催しました。今回のワークショップには、一般の市民のほかダビング事業者と漁業者の参加もあり、総勢31名で始まりました。今回はサンゴ礁を取り巻く様々な環境を原点から見つめ直し、各主体の日常的な生活の視点から解決方法を探ってみようと考え、テーマを2つ設定して、ワークショップを展開しました。  …詳細

報告書アーカイブ


サンゴ礁修復に関する技術手法 - 現状と課題 -

報告書名 サンゴ礁修復に関する技術手法 - 現状と課題 -
年月 平成15年11月
作成元 環境省自然環境局、大森信編著
目的  本書は、今後荒廃したサンゴ礁において移植等によるサンゴ礁修復の幼生が高まることを想定し、各地でサンゴ礁修復の事業が行われる際にさんこうとなるよう、それぞれの研究と事業で主要な役割を果たした方々に成果と既往の知見をとりまとめてもらい作成したものである。
項目
  1. 有性生殖を利用したサンゴ礁修復(種苗生産、幼生着生誘導)
  2. 無性生殖を利用したサンゴ礁修復(分割群体の移植、稚サンゴ移植)
  3. 全群体の移植及びサンゴ群集の移築
  4. サンゴ礁修復への海中技術の展開及び修復の事例
  5. 種苗と移植群体および移築サンゴ群集の管理
結果
  • サンゴ礁修復技術の比較

  • ※海底固着後の管理労力は共通なので省略

  • 今後の研究課題
    • 今後のサンゴ礁修復技術は、幼生を扱うことが主流となると予想されるが、浮遊幼生の挙動予測については海洋学的情報が不足している。
    • 移植や放流に当たっての適地選択のため、サンゴ礁域での水の流れなどのミクロあるいは中規模な物理学的要因についての調査研究が必要である。
    • 修復事業に当たり、個体群への遺伝的攪乱と群集の遺伝的多様性の低下を抑制するため、分子生物学的技術を用いて現場のサンゴ群集の移転した幼生の大きさをあらかじめ推定し、室内産卵による種苗生産や現場からの分割群体の移植の参考にする必要がある。

※「Manual for restoration and remediation of coral reefs」は、上記書物の英語版である。

報告書

サンゴ礁修復に関する技術手法 (2,035 KB)
Manual for restoration and remediation of coral reefs (1,831 KB)


平成19年度 石西礁湖オニヒトデ分布調査

報告書名 平成19年度 石西礁湖オニヒトデ分布調査
年月 平成19年12月
作成元 環境省那覇支援環境事務所、株式会社イーエーシー
目的  本調査では、サンゴ群集のかく乱要因として監視すべきオニヒトデについて、簡易モニタリング調査により分布状況を把握し、対応策の検討を行うことを目的とする。
項目
  1. オニヒトデ発生状況
  2. サンゴ被度の状況
  3. オニヒトデ駆除
結果
  1. オニヒトデ発生状況
  2. サンゴ被度の状況
  3. オニヒトデ駆除

報告書

平成19年度 石西礁湖オニヒトデ分布調査報告書 (1,909 KB)

平成19年度 国立公園等民間活用特定自然環境保全活動事業報告書

報告書名 平成19年度 国立公園等民間活用特定自然環境保全活動事業報告書
年月 平成20年3月
作成元 八重山漁業協同組合
目的  本事業では、昨年度まで海中公園地区のみで行われてきたサンゴ礁保全活動(オニヒトデ駆除)を、これまで石西礁湖自然再生事業で実施されていた地域(オニヒトデに対する重点地域)を含めた地域で実施することを目的とした。
項目
  1. 駆除成果
  2. 駆除されたオニヒトデのサイズ、重量、駆除面積
結果
  1. 駆除成果
    • 14日間で延べ172名が駆除活動に参加し、9地域で11,456匹のオニヒトデを駆除した。
    • ユイサーグチやウーローマガイ周辺は、複数回駆除を行っても駆除効率が低下しなかった。

  2. 駆除されたオニヒトデのサイズ、重量、駆除面積

報告書

平成19年度 国立公園等民間活用特定自然環境保全活動事業(石西礁湖オニヒトデ駆除業務)報告書 (1,032 KB)

平成16年度 西表国立公園石西礁湖及び近隣海域におけるサンゴ礁モニタリング調査 報告書

報告書名 平成16年度 西表国立公園石西礁湖及び近隣海域におけるサンゴ礁モニタリング調査 報告書
年月 平成17年3月
作成元 環境省自然環境局、財団法人自然環境研究センター
目的  本調査は、サンゴ礁の現状を継続して把握するため、石垣島周辺海域(75地点)、石西礁湖及び西表島周辺海域(139地点)において、広域的なサンゴの生息状況の調査を行うことを目的とする。
項目
  1. サンゴ類の生息状況(被度及び生育型、新規加入状況等)
  2. サンゴ類の攪乱要因の状況(オニヒトデ、サンゴ食貝類、白化現象等)
  3. 生息環境(シルトの堆積状況、SPSS)
結果
  1. サンゴ類の生息状況(被度及び生育型、新規加入状況等)
  2. 【石垣島周辺海域(全75地点)】
    • 地点平均の生存サンゴ類の被度は33.3%(前年比4.6pt増)だった。
    • 1年で被度が10pt以上増加した地点は24地点(32%)あった。
    • サンゴ類生育型はミドリイシ類優占の地点が増加し、多種混成型の地点が減少した。特に石垣島北西部の礁斜面部・礁緑部などでは卓状ミドリイシ類の成長が顕著だった。
    【石西礁湖および西表島周辺海域(全123地点)】
    • 地点の生存サンゴ類の平均被度は48.0%で、前年から1.7pt増加した。また、被度が10pt以上増加した地点は23地点、低下した地点は15地点だった。
    • 高被度(50%以上)サンゴ群集が確認された調査地点は、76地点(61.8%)であった。
    • 低被度(10%未満)サンゴ群集が、小浜島東周辺や竹富島北東岸などに10地点存在した。
    • 低下した地点が石西礁湖外縁部で多く見られるのは台風による影響と考えられる。

  3. サンゴ類の攪乱要因の状況(オニヒトデ、サンゴ食貝類、白化現象等)
  4. 【石垣島周辺海域(全75地点)】
    • 確認されたオニヒトデは2地点2個体だが、オニヒトデの食痕確認地点が急増していた。
    • 貝類による食害は、平久保半島西側で顕著であり、前年に引き続き10 - 20ptのサンゴ被度の減少が確認された。食害の確認地点は石垣島全体で増加傾向にある。
    【石西礁湖および西表島周辺海域(全123地点)】
    • オニヒトデは35地点(35.1%)で観察され、その個体数は99個体に上った。
    • 前年度と比較して、目撃地点数、目撃個体数ともに約1.5倍の増加であった。
    • 小浜島 - 黒島間の地点では、枝状ミドリイシ群落中にテルピオスが広範囲に被覆していた。
    • シガイダマシ類は14地点(食痕含む)、テルピオスは23地点で確認された。
    • 多くの地点のサンゴにBlack Band DiseaseやWhite Syndromeの症状を示す部分的な死亡が認められた。

  5. 生息環境(シルトの堆積状況、SPSS)
    • 全海域において、シルトの堆積状況(SPSS)は前年度よりも改善傾向にあったが、本年度は台風が多く底質の洗浄効果が高まったためと考えられる。
    • 一方では、波浪の影響で基盤の破砕やレキによる埋没が例年より多く、サンゴ被度が減少する地点があった。

報告書

平成16年度 西表国立公園石西礁湖及び近隣海域におけるサンゴ礁モニタリング調査報告書 (3,495 KB)

平成17年度 石西礁湖サンゴ群集変動調査

報告書名 平成17年度 石西礁湖サンゴ群集変動調査
年月 平成18年月
作成元 環境省自然環境局
目的  本調査では、サンゴ群集の加入量、死亡量、各個体の成長速度、被度変化の情報を含む個体群動態を把握するとともに、SPSSや水温などの環境条件と比較解析し、サンゴ群集が受けている影響を明らかにすると伴に、オニヒトデの発生状況についてもその詳細な把握を目的とした。さらに、魚類、海藻類についても詳細調査を実施し、種の多様度という視点から石西礁湖内のサンゴ礁生態系を把握した。
項目
  1. 個体群動態調査(卵成熟度、サンゴ幼生定着量、稚サンゴ加入量、環境調査等)
  2. 緊急調査(白化、台風被害)
  3. 多様度調査(造礁サンゴ類、魚類、海藻類)
  4. オニヒトデ調査と駆除
結果
  1. 個体群動態調査
  2.  1年前の2004年は石西礁湖内に多くのサンゴ幼生が定着しており、それを反映して42地点中17地点で、1m2あたりの密度が10を超えた。最多地点はカヤマ入口で、42/m2を超えており、次いで多かったのはミルキーウェイで31.2/m2だった。
    経験的に、1歳の稚サンゴの平均密度が10を超えるサンゴ礁では、生育に適した環境条件が続けば、10年後には大幅な回復が予想されることから、今後が期待される。

  3. 緊急調査
  4.  海水温が30℃付近で推移した9月に白化調査を行った結果、北部の礁縁ではほとんどのサンゴが正常で、2003年と比較すると白化は局所的で軽微であった。サンゴ軍隊の種類としては、トゲサンゴの白化が最も深刻だった。
    また、台風の影響として、台風5号が通過した直後に調査したところ、東から南東に面した石西礁湖南礁縁部で重大な影響が出ており、台風が通過する前に卓越した東からの強風により、このような被害が出たものと推察された。

  5. 多様度調査
  6.  造礁サンゴ類の出現数が最も多かったのはカタグァー(84種)で、造礁サンゴ類の被度が最も高かったのはヨナラ水道のSt.M(80%)であった。また、多様度指数が高い値だったのは南側概要に面した地点や、黒島からカタグァーの外洋湾入部に面した地点だった。
    これらの結果より、被度で高い値を示す地点でも、多様年数は必ずしも高くなく、むしろ中程度の被度(15 - 49%)を示す地点で高い多様年数を示す場合が多かった。

  7. オニヒトデ調査と駆除
  8. 本調査においては、石西礁湖のほとんどの地点では、オニヒトデ観察個体数は通常分布程度であり、駆除高架によってオニヒトデの出現が抑えられているようであった。また、サンゴ被度の著しい低下も見られておらず、駆除事業は一定の成果を挙げていると思われた。
    しかし、依然として要注意レベルのオニヒトデが観察されている地点も残っており、今後も現在の体制を維持していく必要があると思われた。

報告書

平成17年度 石西礁湖サンゴ群集変動調査報告書 (3,912 KB)

平成18年度 持続可能な漁業・観光利用調査
(石西礁湖自然再生事業)

報告書名 平成18年度 持続可能な漁業・観光利用調査(石西礁湖自然再生事業)
年月 平成19年3月
作成元 環境省自然環境局、財団法人亜熱帯総合研究所
目的  2005年に策定された「石西礁湖自然再生推進マスタープラン」の一つに、「持続可能な利用」が掲げられている。本調査では、主に「持続可能な漁業利用」と「持続可能な観光利用」の実現に向け、サンゴ資源に関する重要な利害関係者である漁業者やダイビング業者、観光業者及びその消費者、利用者等の資源利用の変遷・現状や、資源・環境についての考え方、他の利用者との関係などについての知見を得ることを目的とする。
項目
  1. マイボート所有者(遊漁者)等の調査
    (1).小型船舶在籍船調査、(2).乗船調査、(3).聞き取り調査、(4).離島調査、(5).小型船舶登録と漁船登録、(6).漁獲統計調査
  2. 漁業者及びダイビング業者フォローアップ調査
  3. 漁業の変遷と現状についての意識調査
    (1).地名、(2).過去の石西礁湖、(3).漁具と漁法の変遷、(4).海洋汚染に関する言説、(5).漁獲の変化と魚価、(6).個人所有船と観光、(7).禁猟と漁業制限
結果
  1. マイボート所有者(遊漁者)等の調査
  2. (1).小型船舶在籍船調査
     2006年3月31日現在、石垣市に1,400隻、竹富町に413隻の小型船舶が在籍しており、沖縄県全体の約15%を占めていた。このうちマイボートの主体をなすプレジャーボート1隻あたりの人口は、石垣市で87人、竹富町で39人となっており、沖縄県の292人、全国の522人と比較して人口に対するボートの比率が高いことが分かった。

    (6).漁獲統計調査
     遊漁と漁業が競合する魚種として選定した12種のうち、グルクン、クチナギ、ヒメフエダイ、スジアラ、ナミハタ、カンモンハタの6種は、CPUEが減少傾向にあった。

  3. 漁業者及びダイビング業者フォローアップ調査
  4.  平成17年度に聞き取り調査した漁業者・ダイビング事業者からランダムに6名を選び、既に聞き取り調査によって得られた内容を確認するための聞き取り調査を実施した。
    その結果、過去の調査内容に齟齬があるケースは生じなかった。

  5. 漁業の変遷と現状についての意識調査
  6.  石西礁湖における漁業の変遷と現状についての意識を調べるため、48名の漁業者等へ聞き取り調査を実施した。

    (4).海洋汚染に関する言説
     漁業者には、オニヒトデがサンゴを食べることで死んだサンゴに藻が生え、そこに貝類や魚類が集るため、オニヒトデが海の浄化のサイクルの一端であるというイメージがあり、必ずしも駆除しなければならないとは考えていないようだった。

    (7).禁猟と漁業制限
     漁業者たちは一様に、魚場から魚が減少しているという印象を持っている。そのため現在八重山漁協では、資源水準が急激に減少しているクチナギ等はMPA(完全禁猟区)を設けるなどの資源管理計画に取組んでいる。しかし、規制対象は漁業者であるため、適用されない遊漁者等に協力を得る必要がある。

報告書

平成18年度 持続可能な漁業・観光利用調査 (9,922 KB)

サンゴ幼生着床具を用いたサンゴ群集修復マニュアル
(平成18年度 石西礁湖自然再生施設サンゴ群集修復(サンゴ移植)工事管理業務 報告書)

報告書名 サンゴ幼生着床具を用いたサンゴ群集修復マニュアル
(平成18年度 石西礁湖自然再生施設サンゴ群集修復(サンゴ移植)工事管理業務 報告書)
年月 平成19年3月
作成元 環境省九州地方環境事務所那覇自然環境事務所
目的  平成17年度より、環境省ではサンゴ幼生着床具を用いたサンゴ群集修復事業を実施しており、本事業は今後発展的に展開していくことが予想されるが、事業の拡大に伴い携わる技術者の増加が必要となってくる。そのため、本書では、これまでに得られた知識と経験に基づき、着床具を用いて移植を行う技術手法についてまとめることを目的とする。
項目
  1. 修復場所の選定及び修復候補地の評価
  2. 移植手法
  3. 着床具の製作・設置
  4. 採苗数予測及び採苗
  5. 移植
  6. モニタリング
結果

報告書

平成18年度 石西礁湖地区自然再生施設サンゴ群集修復(サンゴ移植) 工事管理業務報告書 サンゴ幼生着床具を用いたサンゴ群集修復マニュアル (4,905 KB)

平成18年度 石西礁湖自然再生技術手法検討調査業務 報告書

報告書名 平成18年度 石西礁湖自然再生技術手法検討調査業務 報告書
年月 平成19年3月
作成元 環境省九州地方環境事務所那覇自然環境事務所、いであ株式会社
目的  石西礁湖の保全再生方策の検討に資するために、石西礁湖における造礁サンゴ群集等の現況および経年変化の把握を行うとともに人工基盤への移植法試験を行うことを目的とした。
 また、石西礁湖の自然再生を報告するためITMEMS 3に出席した。
項目
  1. 重要海域詳細調査(サンゴ群集、サンゴ群体、魚類群集、生息環境)
  2. サンゴ移植手法研究調査
  3. サンゴ礁再生情報の収集・整理
結果
  1. 重要海域調査結果
  2.  サンゴ被度の経年変化では、被度の高い保存区・実証区では、被度は減少傾向にあった。2006年9月15日、八重山地方を通過した猛烈な大型台風13号による激浪により、サンゴの消失が原因と考えられる。出現種数の経年変化では、一定の傾向はみられなかった。被度の低下は、種数の低下に直接は反映していないと考えられた。
     サンゴ群体の成長では、クシハダミドリイシについては5 - 15cm/年の成長がみられ、また、アナサンゴについては約2cm/年の成長が記録された。
     魚類相とサンゴの関係では、サンゴ被度の増加に伴い、チョウチョウウオ科種数の増加が認められた。チョウチョウウオ科魚類はサンゴ食の種を多く含むためと考えられる。また、サンゴ多様度が増加するとスズメダイ科魚類の種数が減少する傾向が認められた。多様度の増加は小群体サンゴの増加によるため、魚類のすみかの減少となったと考えられる。
     堆積物の分布では、西表島東岸に堆積の多い場所が多くみられた。

  3. サンゴ移植手法研究調査
  4.  人工基盤上に移植したサンゴのモニタリングの結果、生残率は9ヶ月後ではハナヤサイサンゴ科が100%であったが、1年後では43%に減少した。また、ミドリイシ属は78%から7%に減少した。平均長径は1年後で、ミドリイシ属が41mm、ハナヤサイサンゴ科が51mm、アナサンゴモドキ属が33mmであった。

  5. サンゴ礁再生情報の収集・整理
  6.  2006年10月15日 - 20日、メキシコのユカタン半島先端部に位置するコズメル市において開催された第3回国際熱帯海洋生態系管理シンポジウム(ITMEMS 3)に出席し、石西礁湖自然再生調査及び修復事業について報告し、各国において検討、実施されているサンゴ礁再生技術ついて情報を収集した。再生に関する分科会では、次のような決議がとりまとめられた。
    • 自然災害の脆弱マッピングを開発、維持に役立つ沿岸域の定 点モニタリングの実施。
    • 熱帯海洋生態系における大規模再生を可能にする経済的な手法開発のための研究促進。
    • 世界各地域の沿岸域保護に果たす熱帯海洋生態系の役割研究。
    • 補償措置について理解するため、破壊度に関する有益なデータや情報の収集。

報告書

平成18年度 石西礁湖自然再生技術手法検討調査業務報告書 (33,961 KB)

用語集




アーサ
沖縄の方言で、和名はヒトエグサという緑藻。春先にサンゴ礁の浅瀬に繁殖するアーサーをおばぁ達が採る光景は、昔から沖縄の島々の風物詩になっている。採れたアーサーはお汁などに入れて食べられる。

赤土 あかつち 
赤褐色、赤黄色を呈する酸性の風化土壌。沖縄では、国頭マージ、島尻マージと呼ばれる。

安定同位体 あんていどいたい 
同じ原子番号を持つが、質量数が異なる原子で、放射線を出さないもの。

ICRI いくり 
国際サンゴ礁イニシアティブ(lntematiorlal Coral Reaf lnitiative)の略称。1994年に発足した、サンゴ礁の保全と持続可能な利用に関する包括的な国際的枠組み。1)沿岸管理、2)能力養成、3)研究・モニタリング、4)再検討が活動の4本柱となっている。1995年にフィリピンでICRI会合が開催され、「行動の呼びかけ」「行動の枠組み」を採択。その後の活動の指針とする。事務局と企画調整委員会(ICRI-CPC:ICRI Coordination Planning Committee)で運営されている。2005年から2007年は、日本とパラオが共同事務局を担当。

胃腔 いこう 
ロからつながる袋状の組織で、胃の内腔。

胃層 いそう 
胃腔の表面を覆っている細胞層。

磯焼け いそやけ 
低塩分などの影響で海藻類が岩礁から消滅する現象。

一斉産卵 いっせいさんらん 
初夏の満月ごろの日没後に、多くのサンゴ種が一斉に卵と精子を放出して、海水面で受精する有性生殖の形態。

イノー
沖縄の方言で、サンゴ礁の礁原に発達する礁池や内湾などの静隠な浅い水域のこと。

インタープリテーション
一般的には「通訳」のことを言うが、ここでは、自然と人間のあいだの通訳、すなわち、自然の発するメッセージを分かりやすく人々に伝え、自然とのふれあいを通じて喜びや感動を分かちあおうとする「解説活動」のことを指す。

渦鞭毛藻 うずべんもうそう 
2本の鞭毛を持つ単細胞の藻類で、細胞には横溝を有する。サンゴ類などに共生している褐虫藻はGymnodinium属の渦鞭毛藻で体外では鞭毛をもつ。

栄養塩 えいようえん 
海水や陸水に含まれ、植物プランクトンや藻類の栄養になる物質。硝酸塩・亜硝酸塩・アンモニウム塩・リン酸塩・ケイ酸塩など。栄養塩が過多になると、植物プランクトンや藻類の異常発生が起こり、生態系のバランスが崩れる。また、栄養塩過多はサンゴの骨格形成を阻害することも知られている。

エコツアー
森歩き、山登り、沢登り、カヌー、ダイビングなど、自然にやさしい活動を行いながら、自然を学び楽しむ体験型ツアー。

SPSS えす・ぴー・えす・えす 
海底質中懸濁物質含量(corltents of Suspended Particles in Sea Sediment)の略称。海域の赤土汚染をモニタリングする簡便な手法として1985年に沖縄県衛生環境研究所で開発された。海底から土砂を採取し、容量内で懸濁させた時の透視度から懸濁物質(赤土等)の量を推測する。

枝状 えだじょう 
(造礁サンゴにおいて)棒状の群休から幾重にも枝が分岐した群体の形状。

エプロン礁 えぷろんしょう 
岬部を囲むように発達する小規模なサンゴ礁で、礁池を欠<。

横隔板 おうかくぱん 
莢の下部の空所が成長にともなって竹の節目のように仕切られた構造体。

沖縄県オニヒトデ対策会議 おきなわけんおにひとでたいさくかいぎ 
沖縄県自然保護課が事務局になり2002年に発足したオニヒトデ対策を目的とした会議。発生状況の調査、簡易調査マニュアル、駆除戦略などを環境省、市町村、関係機関からなるメンバーと検討する。

溺れ谷 おぼれだに 
陸上で形成された谷が海面上昇などよって沈水したもの。



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海岸段丘 かいがんだんきゅう 
少なくとも第四紀以降隆起傾向にある、または隆起傾向にあった地域の海岸沿いにみられる段状を呈する平坦な地形面(群)。

塊状 かいじょう 
(造礁サンゴにおいて)塊状の群体の形状。典型的には半球形になる。

海食崖 かいしょくがい 
波食作用によって形成された海崖。

海食棚 かいしょくだな (波食棚)
波食作用によって形成される潮間帯の平坦な地形。

海成層 かいせいそう 
海面下(海底)で堆積した堆積物の総称。

海成段丘 かいせいだんきゅう 
過去化海面下(海底)で形成された平坦面が、断続的に離水する過程を経ることによって形成されていく段状の地形面(群)。海岸段丘とほぼ同義であるが、海成段丘という言葉はその成因を伴っている。

撹乱 かくらん 
サンゴ群集の内外からさまざまな力(撹乱要因)が加わって、群集の様相を変えること。オニヒトデによるサンゴの捕食や、台風時の波浪による物理的な破壊などがある。

火山深性複合岩体 かざんしんせいふくごうがんたい 
火山岩と深成岩が混在している岩体。

活性酸素 かっせいさんそ 
原子核の周りの電子数が変化して不安定になった酸素で、酸化力が強<、他の原子や分子から電子を奪い取る性質がある。

活性状況 かっせいじょうきょう 
機能が出現したり、効率が向上したりすること。また、反応や応答をする能力。サンゴの場合、成長量などの活性状況から健康状態を判断できる。

褐虫藻 かっちゅうそう 
サンゴに共生する直径10ミクロン程の単細胞の渦鞭毛藻の一種。光合成を行ってサンゴに酸素と栄養を供給している。

合併浄化槽 がっぺいじょうかそう 
屎尿(しにょう)と生活雑排水をあわせて処理する浄化槽。屎尿のみを処理するものは単独浄化槽。

加入量 かにゅうりょう 
生物群集に対して新たに加わる生物の量。

地形 ちけい 
石灰岩でできている地域が侵食や風化を受けてできた特有な地形。炭酸を含む雨水に溶水されやすいため、窪地や石灰洞を形成する。

環礁 かんしょう 
中央に深い礁湖を持った環状に配列したサンゴ礁で、日本周辺海域には見られない。南北大東島は環礁が隆起して形成された(隆起環礁)と考えられている。

共生 きょうせい 
異なる種の生物が共に住んで緊密な関係を成立させることで、互いに利益を得ることが多い。褐虫藻は造礁サンゴの組織内部に共生するため、共生藻とも言われている。

共生関係 きょうせいかんけい 
異種の生物が共存する関係。普通、二種の生物が互いに利益を交換して生活する相利共生をさす。

共生藻 きょうせいそう 
造礁サンゴやシャコガイなどの体内に共生している微小な藻類で、造礁サンゴの場合は褐虫藻がこれにあたる。

裾礁 きょしょう 
島の周りを縁取るようにして発達するサンゴ礁の形態で、日本の多くのサンゴ礁はこれに当たる。

クチャ
主として沖縄中南部、宮古島に分布する島尻層群泥岩の沖縄方言名。風化しやすい。

国頭 くにがみ 
沖縄島北部、久米島、石垣島、西表島に分布し、砂岩、泥岩、千枚岩、砂礦層などを母材とする赤黄色土壌。酸性を示す。

グリーンベルト
土砂流出を防ぐため、畑の周囲に植えられた植物の帯。石垣島では月桃(沖縄の島々の山野に白生する、ショウガ科の多年草)を植えている。

グレージング
草食動物が植物をかじって食すること。

黒帯病 くろおびびょう 
Black Band Disease。1970年代から世界の造礁サンゴで見られるようになった病気。原核生物のシアノバクテリアが原因菌で、これに硫酸還元菌や硫化物酸化菌が加わったマット状の黒い帯となって組織の壊死が広がっていく。

群集 ぐんしゅう 
ある場所に存在している生物個体群の集合体。

群集構造 ぐんしゅうこうぞう 
群集とは種の組成をもとにして分けられた植物群落の分類単位で、群集構造は群集の種組成を意味する。本来は植物に用いられる用語だが、分布のしかたが植物と似ているサンゴにも流用されている。

群体 ぐんたい 
共通の親個体から出芽によって形成されたポリプの集まりで、出芽後も離れることなく複数のポリプが共肉部で連絡してできている状態。

群落 ぐんらく 
生物群集の意。植物社会学的には特定の組成を持った群集を優占種の名を冠して表現する(例:ススキ群落)。

光阻害 こうそがい 
強い光の影響で光合成活動が阻害される現象。

高島 こうとう 
大陸島や火山島など、山地からなる島。

勾配修正 こうばいしゅうせい 
畑からの土砂流出を防ぐため、畑の勾配を緩やかにすること。

光量子量 こうりょうしりょう 
光のエネルギー量を表す最小単位。



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対州層群 さいしゅうそうぐん 
長崎県対馬に分布する第三系で、デルタ成?漸深海成堆積物から構成される。

栽培漁業 さいばいぎょぎょう 
水産対象種の種苗を人の手でじっくり育てて放流し、成長したものを漁獲する漁業。

サンゴ群集 さんごぐんしゅう 
サンゴ類が一つの場所に多数生育して形成する集まりで、サンゴ礁の様々な環境によって群集を形成する主要な種の群体形が異なる事が多<、異なる景観が作り出される。

サンゴ群体 さんごぐんたい 
共通の個体から出芽によって形成されたポリプの集まりで、出芽後も離れることなく複数のポリプが共肉部で連絡してできている状態。

サンゴ群落 さんごぐんらく 
サンゴ群集。ある場所の瀬即する複数種のサンゴ個体群の集まり。

サンゴ個体 さんごこたい 
ポリプの骨格。

サンゴ礁群集 さんごしょうぐんしゅう 
サンゴ類に限らず、サンゴ礁生物がある場所を占めて生息し、さまざまな関係を成立させている生物の関係。

サンゴ礁段丘 さんごしょうだんきゅう 
海成段丘の1つの形態。過去に形成されたサンゴ礁が不連続に離水していくことで形成される。

サンゴ相 さんごそう 
ある地域のサンゴの種類数と種類組成。生息する種類数が多い場所は、サンゴ相が豊富な場所という。

サンゴ体 さんごたい 
サンゴの骨格、群体サンゴの場合はサンゴ個体と共骨のすべて。

GIS じー・あい・えす 
Geographic lnformation SyStem。地理情報システム。地理的なさまざまな情報に関連づけなどの処理を行い、データ化された地図上として視覚的に表示するシステム。

GCRMN じー・しー・あーる・えむ・えぬ 
地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク(Global Coral Reaf Monitoring Network)の略称、ICRIのブログラムの一つであり、サンゴ礁モニタリングを実施する人々や政府機関、研究機関、NGO及びサンゴ礁の利用者によるネットワークである。持続的な利用のためのサンゴ礁のモニタリングを推進している。IOC-UNESCO、IUCN、世界銀行、UNEPの4つの国際機関からの資金提供を受け、科学技術諮問委員会(STAC)の指導のもとに戦略計画にのっとって運営される。1998年以来、地球規模のネットワ一クを通じて、2年に一回、世界のサンゴ礁の現状報告を発行している。

GPS じー・ぴー・えす 
Global Positioning System。全地球無線測位システム。多数の衛星から発射された時刻信号の電波の到達時間などから,地球上の電波受信者の位置を三次元測位するシステム。カー・ナビゲーション・シスムなどに利用されている。

自然侵食 しぜんしんしょく 
地表が自然現象により削り取られること。雨食一河食・雪食・水食・風食・波食などがある。

資源保護 しぜんほご 
自然から得られる産業の基となる要素(地下資源・水資源・海洋資源・水産資源・人的資源・観光資源など)を、永く利用できるように守っていくこと。

被覆状 しふくじょう 
基盤を覆うように被服して成長した群体の形状。

刺胞動物 しほうどうぶつ 
餌を捕ったり攻撃したりするのに用いる刺胞という細胞器官をもった動物で、サンゴ、クラゲ、イソギンチャク、ヒドラなどが含まれる。

島尻層群 しまじりそうぐん 
琉球列島に広く分布する第三系堆積物。主に大陸由来の砂泥から構成されるが、一部凝灰岩も侠在している。

島尻マージ しまじりまーじ 
主に沖縄島南部、宮古島に分布し、琉球石灰岩を母材とする暗赤色土壌。アルカリ性を示す。

ジャーガル
主に沖絹烏中南部、宮古烏に分布し、烏尻層群泥岩(クチャ)を母材つる灰色土壌。アルカリ性を示す。

種間交雑 しゅかんこうざつ 
異なる遺伝子をもつサンゴ群体の精子と卵子が受精して起こる受精形態。

樹枝状 じゅしじょう 
(造礁サンゴにおいて)柱間隔が広く樹の枝や鹿の角を思わせるような群本の形状。

種多様性 しゅたようせい 
種類の多さや複雑さなどの性質。

種多様度 しゅたようど 
種の多様性の高さを示す尺度。種数で表す場合をはじめ、さまざまな指数が考案されている。

出芽 しゅつが 
群体が成長していく際に、ポリプが目を出すようにして新たに形成されること。

種苗 しゅびょう 
水産学用語では、養殖のための稚魚や卵をさす。植物の苗も種苗である。

種苗放流 しゅびょうほうりゅう 
卵から育てた水産対象種の稚仔を種苗といい、この種苗を放流すること。

準平原 じゅんへいげん 
Davis.W.M.によって提唱された侵食輪廻の最終地形で、波状小起伏の広域侵食面。

礁縁 しょうえん 
外礁の外側礁原でサンゴ礁の縁辺部。

礁原 しょうげん 
サンゴ礁の上面の平坦な部分で、岸から礁湖をはさんで遠く離れた外礁では、小潮にも干上がるサンゴがほとんど生育しない内側礁原 inner flat、外側礁原 outer flat からなる。

礁湖 しょうこ 
堡礁と陸の聞や環礁の中央部に発達する深い水域。

礁斜面 しょうしゃめん 
サンゴ礁の礁縁部から傾斜して落ち込んだ部分。

造礁サンゴ じょうしょうさんご 
組織内に褐虫藻を共生させて、炭酸カルシウム骨格を形成して成長するサンゴ。

礁池 しょうち 
裾礁の礁原に発達する水域で、水域は浅く、干潮時には外洋から離れることが多い静穏で繊細な群体形のサンゴが生育し、海草帯などが発達する。

上布の海晒し じょうふのうみざらし 
苧麻(ちょま)の繊維を細く紡いだ糸で織った上質の麻繊維の上布を作る過程で海に晒すこと。八重山に伝わる伝統技術。

礁舗 しょうほ 
礁嶺陸側のサンゴ礫やサンゴの分布する高まり部分。

礁嶺 しょうれい 
外礁の内側礁原の高く盛り上がった場所で、長時間干上がるために生物があまり豊富でない場合が多い。

シルト
粘土よりも粗粒、砂よりも細粒の粒子で、粒径は1/16?1/256mm。

侵食小起伏面 しんしょくしょうきふくめん 
侵食輪廻における老年期に形成される起伏の小さい侵食面。

スキューバ、スクーバ
SCUBA(self-contained underwater breathing apparatus)自給気式潜水装置の略称。圧搾空気をつめたボンベを背負い、圧力自動調節器を通してマウスーピースから呼吸するもの。

州島 すとう 
礁性砂礫から構成される小規模な低島。

生活環 せいかつかん 
世代ごとに繰り返される季節の変化に関連した発生や成長の過程。生活史と同義で単に生物の一生を指す場合もある。

石灰化 せっかいか 
生物による炭酸カルシウムの生産。サンゴ類、貝類、有孔虫類、石灰藻などが行う。

石灰岩堤 せっかいがんてい 
石灰岩地域の崖沿いに発達する堤状の高まり。

石灰質 せっかいしつ 
サンゴの骨格や貝殻などの主成分になっている炭酸カルシウム(CaC03)。

セディメントトラップ
懸濁物質の沈殿量を測定するために工夫される筒状の器具。

石花海海盆 せのうみかいぼん 
駿河湾の海底に位置する最大水深1000m程度の凹地。

造礁(性) ぞうしょうせい 
組織内に裸虫藻を持っている状態で、造礁サンゴは全て共生藻として褐虫藻を持っている。

ソフトコーラル
広義のサンゴの中で石灰質の骨格を持たないグループ。



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台礁 だいしょう 
大陸棚などに発達する比較的大規模なサンゴ礁で中央に浅礁.湖(礁池)をもつ。深い礁湖はみられない。

堆積岩 たいせきがん 
堆積物が沈積し、物理的・化学的作用によって固化した岩石。

タイドプール
干潮時に磯にできる潮溜まり。

卓礁 たくしょう 
田山利三郎によって提唱されたサンゴ礁の一類型。孤立して発達する小規模なサンゴ礁で浅礁湖(廻流)をもたない。

卓状 たくじょう (テーブル状)
横方向に発達した板状の部分を中央の軸で支えている、テーブル状の群体の形状。テーブル状、板状ともいう。

段丘崖 だんきゅうがい 
複数の段丘を境する急度。

暖水塊 だんすいかい 
周囲の水温よりも暖かい水塊。

断層崖 だんそうがい 
断層によって生じた急度。直線的な場合が多く、主に空中写真などで判別される。

柱状 ちゅうじょう 
(造礁サンゴにおいて)基盤からほぼ直立する柱状の群体の形状。

沖積土壌 ちゅうせきどじょう 
河川によって運ばれてきた土砂が堆積してできた土壌。

潮間帯 ちょうかんたい 
高潮線(満潮線)と低潮線(干潮線)に「まさまれた部分で、干潮のときには大気中に出て、満潮時に海中に没する。

沈降海岸 ちんこうかいがん 
海面の高度変化よりも、地盤が沈降することによって形成された海岸地形。

沈水カルスト地形 ちんすいかるすとちけい 
カルスト地形が海面の上昇などによって沈水したもの。

泥岩 でいがん 
粒径1/16mm以下の粒子によって構成される堆積岩

低島 ていとう 
急峻な山地などが存在せず、全体的に低平な台地からなる島。

テーブル状てーぶるじょう(卓状)
横方向に発達した板状の部分を中央の軸で支えている、テーブル状の群体の形状。テーブル状、板状ともいう。

テクトニクス
地球の大規模な構造と変動について研究する学問。

トラフ
海底の地溝で、水深が5000mに満たないものを指す。水深が5000m以深に及ぶものは海溝と呼ばれる。

ドリーネ
カルスト地形の1つで、径10?1000mの円ないし楕円形の輪郭を持ち、深さ2?100m程度の溶食凹地形である。



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軟組織 なんそしき 
サンゴの骨格を除く生きた部分。

沼層 ぬまそう 
千葉県館山市周辺に分布するサンゴ化石を含む完新世堆積物。縄文海進時に溺れ谷となった一帯に造礁サンゴが生息し、それらが後に隆起し陸上に現れた地層。

ノッチ
石灰岩で構成される海塵などに発達する窪み状の小地形で、生物侵食や化学的・物理的侵食によって形成される。水平的に連続したノッチの後退点は海面指示者として有用である。



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バイオテクノロジー
生物をエ学的見地から研究し、応用する技術。近年は特に、遺伝子組み換え・細胞融合などの技術を利用して品種改良を行い、医薬品・食糧などの生産や環境の浄化などに応用する技術をさす。

白痘 はくとう 
White Pox。1996年以降、カリブ海を代表する枝状のサンゴ(Acropora palmate)の90%を殺し、絶滅危惧種に追いやった恐るべき病気。最近、人畜の腸内細菌であるセラチア菌が原因菌であることが特定されたため、屎尿排水の影響が問題視されている。

白化 はっか 
サンゴやシャコガイなどは体内に褐虫藻が共生しており、光合成を行う褐虫藻から酸素と栄養をもらって生きている。高水温などが原因で体から茶色の褐虫藻が抜け出した結果白くなる現象を白化と言う。サンゴなどは白化が長く続くと死んでしまう。

発生 はっせい 
受精卵や無性的に生じた芽などが成長する過程。

パッチ(状)
浅海域に発達した小さな斑状のサンゴ眺のような形状。

浜下 はまう 
旧暦三月三日の春の大潮の日に浜に出て潮干狩などを楽しむ沖縄の伝統的行事。

パヤオ
沖合いに設置される人口浮漁礁の―穫で、沖縄小笠原などで漁場として利用される。

干瀬 ひし 
沖縄の方言で、サンゴ礁で干潮に干上がる礁干のこと。

被度 ひど 
サンゴなどの固着生物が基質を被覆する面積の割合。

フーカー
船上のコンプレッサーからホースを通して水中に圧搾空気を送り、マウスーピースから呼吸する潜水装置。スキューバより長時間の潜水が可能。

プラヌラ
サンゴの幼生、泳ぐことができる。

プランクトン生活 ぷらんくとんせいかつ 
水中での浮遊生活。魚類やベントスも生活史のある時期プランクトン生活を営む。

扁形動物吸虫類 へんけいどうぶつきゅうちゅうるい 
扁形動物門は左右相称動物の中で体制が最も簡単な動物群で、背腹に平たく、楕円形や細長い形をしている。このうち吸虫類は動物に寄生して血液等を吸って生活するグループ。

保育型 ほいくがた 
体内受精をして、ポリプの胃腔内でプラヌラ、まで保育する有性生殖の型。ハナヤサイサンゴ科で普通にみられ、ポリプは幼生を放出する。

堡礁 ほうしょう 
島から遠く離れ一定の距離を置いて発達するサンゴ礁で、島との間に深い水域がある。日本では石西礁湖のみで見られる。

放卵放精 ほうらんほうせい 
初夏の満月ごろの日没後に、多くのサンゴ種が一斉に卵と精子を放出して、海水面で受精する有性生殖の形態。

堡礁 ほしょう 
島から遠く離れ、一定の距離を置いて発達するサンゴ礁で、島との間に深い水域がある。日本ではほとんどみられない。

ホットスポット
地表の一箇所に継続的にマグマが供給される場所。位置はプレートの動きに関係なく一定である。

ポリプ
サンゴの基準単位。イソギンチャク様の動物とその骨格からなる。

ホルンフェルス
接触変成作用によって生じた変成岩の一種。圧力などよりも温度が主要な変成条件と考えられている。



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マイクロアトール
干出のための群体上部の中央部が死亡し、周辺部分が生きている群体の形状で、微小な環礁に見立てた呼び名。

宮良層群 みやらそうぐん 
八重山諸島に分布する始新統で、石灰岩を主とする宮良川層とグリーンタフである野底層からなる。宮良層群は極浅海相で、変成作用は受けていないが、断層運動によって傾動地塊化している。

無性生殖 むせいしょく 
配偶子を用いずに、子孫を増やす営み。無性生殖によってできる個体は、遺伝子組成が等しいクローンである。

モニタリング
環境や生物の状態を監視すること。



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八重山地区 やえやまちく オニヒトデ対策連絡会議たいさくれんらくかいぎ
八重山地域におけるオニヒトデの発生状況等の情報を共有するとともに、地域としての対策を検討するために開催されている会議。八重山漁業協同組合、八重山ダイビング協会、沖縄県、沖縄県八重山支庁、石垣市、竹富町、西海区水産研究所、県水産試験場八重山支場、沖縄県環境科学センター、WWFジャパンサンゴ礁研究センター、日本ウミガメ協議会、(有)海游、八重山環境ネットワークなどが参加。

八重山変成岩 やえやまへんせいがん 
八重山諸島に分布する、上部古生界のトムル層と上部中生界の富崎層からなる変成岩類。変成作用の時期は、トムル層がジュラ紀、富崎層が古第三紀とされる。トムル層は藍閃石片岩相の高圧型変成岩類、一方、富崎層は千枚岩・チャートからなる弱変成岩類である。

有性生殖 ゆうせいせいしょく 
卵と精子など配偶子を用いて、子孫を生産すること。有性生殖によってできる個体は、遺伝子組成が異なっている。

葉状 ようじょう 
(造礁サンゴにおいて)基盤から遊離して伸びる薄く幅広い群体の形状。



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ラグーン
礁湖と同義。

陸棚礁 りくだなしょう 
大陸沿岸や陸島部で形成されるサンゴ礁。

離礁 りしょう 
内湾的環境の浅海域に発達する大小様々な形状の小さな斑状のサンゴ礁。

離水サンゴ礁 りすいさんごしょう
過去数千年間において形成されたサンゴ礁が、海水準低下あるいは陸地の隆起などの原囚によって現海水準上に現れているもの。

離水卓礁 りすいたくしょう 
離水サンゴ礁の1つの形態で、卓礁が離水したもの。

隆起環礁 りゅうきかんしょう 
海洋プレート上で形成された環礁が、プレートの移動に伴って沈降し、海溝周縁隆起帯に達したところで隆起に転じ、陸上に現れたもの。日本では、大東諸島がこれに相当する。

隆起サンゴ礁 りゅうきさんごしょう 
離水サンゴ礁のうち、その成因が隆起であることが明らかなもの。

琉球石灰岩 りゅうきゅうせっかいがん 
第四紀更新世に琉球列島周辺海域において堆積したサンゴ礁性石灰岩。

琉球層群 りゅうきゅうそうぐん 
琉球列島に広く分布する更新統の総称。石灰質堆捕物(琉球石灰岩など)が主体であるが、非石灰質堆積物(国頭礫層など)も含まれている。

 れき 
粒径が2mm以上の粒子の総称。これらは粒径によって細礫(2?4mm)、中礫(4?64mm)、大礫(64?256mm)、巨礫(256mm以上)に区分される。