石西礁湖の概要


 石垣島と西表島の間に広がるサンゴ礁海域は、石垣島の「石」と西表島の「西」の字をとって石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれ、西表石垣国立公園に含まれています。
 東西約30km、南北約20kmにも及ぶ日本最大規模のサンゴ礁海域であるのみならず、石西礁湖を含む八重山諸島海域では、360種類を超えるサンゴが確認されており、国際的にも重要なサンゴ礁生態系が育まれています。



石西礁湖の基礎知識


石西礁湖の現状


 石西礁湖のサンゴ礁が今、危機に瀕しています。高水温等による大規模な白化現象、オニヒトデの大発生、赤土や栄養塩類など陸域からの環境負荷、海域の利用状況の変化等によって攪乱を受け大きく衰退しています。
 石西礁湖のサンゴ礁は、1970 年代までは人為的な影響も少なく原生的な状態でした。しかし、1980年頃始まったオニヒトデの大発生でサンゴが食べつくされ、大きく衰退しました。その後、1990 年代後半には石西礁湖全体で回復に向かいましたが、1998 年と2007 年に大規模な白化が起こって衰退し、現在では危機的な状態にあります。さらに、赤土流出や水質汚濁の影響もサンゴ礁が回復しづらい原因の一つと考えられています。



1981年 左図の赤色の部分は1980年の枝状ミドリイシの高被度(被度50%以上)分布域です。石西礁湖では、1970年代まで人為的撹乱も小さく、サンゴ群集は原生的な極相状態にあったと考えられ、この分布図はその状況を示しています。しかし、1980年頃始まったオニヒトデ大発生による食害を受け、サンゴ群集は大規模に衰退しました。
※「被度」とは、海底をサンゴが覆っている割合のことです。


出典:浅海における海中景観の保全と活用の推進に関する調査報告書
(西表国立公園石西礁湖の保全と活用)
1991年 左図の赤色の部分は1991年のサンゴ高被度分布域です。
1980年に比べサンゴ高被度分布域は小浜島周辺では増大していますが、竹富島南方及び西方、黒島周辺、新城島周辺では大幅に減少しています。
その後1990年代後半にはサンゴ群集は礁湖全体で回復に向かいました。  


出典:第5回自然環境保全基礎調査 サンゴ礁調査 報告書
2003年
左図の赤色の部分は2003年のサンゴ高被度分布域です。
1991年に比べ、サンゴ高被度分布域は小浜島北部で減少しているものの、小浜島南方、竹富島東方、新城島周辺では顕著に回復しています。
竹富島東方には枝状サンゴを主とする大規模な群集が分布し、竹富島西方にはスギノミドリイシ等の枝状サンゴが高被度で分布していました。
小浜島南方のやや水深の深い地域には広大なスギノキミドリイシを優占種とする群集が広がり、小浜島から東方に向かって分布していました。
また、新城島西方にはクシハダミドリイシなどテーブル状のサンゴが高被度で広く分布していました。
出典:平成14年度石西礁湖自然再生調査(サンゴ群集分布調査)報告書
2017年
左図の赤色の部分は2017年のサンゴ高被度分布域です。2003年時点の高被度域も、2007年や2016年に発生した大規模白化現象によりサンゴが大きく減ってしまいました。特に、竹富島周辺にみられたミドリイシ類は大きく失われています。
高被度のサンゴがみられるのは石西礁湖の北礁付近のような外洋に面した部分や、流れの速い水道沿いのみとなっています。
現在は2016年の大規模白化の影響から少しずつ回復しているところです。
出典:平成29年度気候変動適応計画推進のための浅海域生態系現況把握調査業務報告書
※上図の海洋図ベース (World Ocean Base)の著作権は、Esri, DeLorme, NaturalVueにあります。

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